がん診断の“見逃し”を防ぐ、もうひとつの目。「Pathology AI(病理診断支援AI)」
がん診断の“見逃し”を防ぐ、もうひとつの目。「Pathology AI(病理診断支援AI)」
病理診断は、がんの確定診断や治療方針の決定に欠かせない重要なプロセス。しかし、膨大なスライド画像を人の目だけで確認するには限界があります。そこで登場したのが、病理画像をAIが解析し、診断を支援する「Pathology AI」です。
Pathology AIとは?
Pathology AIは、顕微鏡で撮影された組織スライド画像をAIが解析し、がん細胞の有無や形態、分布を自動で検出・分類する技術。熟練病理医の目を補完し、診断の精度とスピードを向上させます。
主な機能
がん細胞の自動検出:乳がん、前立腺がん、大腸がんなどの組織画像から、がん細胞を高精度で検出。
悪性度の評価支援:細胞の形状や密度、核の異型性などを解析し、グレード分類をサポート。
スライド全体のヒートマップ表示:異常が疑われる領域を色分けして可視化し、見落としを防止。
診断レポートの自動生成:解析結果をもとに、病理所見の下書きを作成。
主な開発企業とプロジェクト
NEC:ディープラーニングを活用したがん診断支援AIを開発。国立がん研究センターと共同研究を実施。
Preferred Networks:病理画像解析の研究を進め、医療機関との連携も強化中。
エルピクセル(LPixel):EIRLシリーズの一部として病理画像解析機能を開発。
導入のメリット
病理医の負担軽減:スライドの事前スクリーニングにより、確認作業の効率が大幅に向上。
診断の均てん化:地域や施設による診断精度の差を縮小。
教育・研究への応用:AIによる解析結果を活用し、病理教育や症例研究にも貢献。
Pathology AIは、まさに“医療の顕微鏡の中に宿るAI”。人の目では見逃しがちな微細な変化を捉え、がんの早期発見と正確な診断を支える、未来の医療に欠かせない存在です。