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記述式ケース問題44 82歳男性、軽度の認知症と前立腺肥大のため排泄に困難を抱える。

排泄ケア相談員・シニアコース・記述式問題 ⇒※排泄ケア相談員については、家庭の排泄ケア相談所のWEBを参照ください。  https://www.sutokukai.or.jp/cssc/about/haisetsu.html 症例47 患者情報  82 歳男性、軽度の認知症と前立腺肥大のため排泄に困難を抱える。自宅で一人暮らしをしており、家族は近くに住んでいるが、日常的には訪問が少ない。本人はトイレへの移動に不安を抱えており、介護拒否の傾向がある。 設問内容 この患者に対して、経過観察を行いながら排泄ケアの支援計画書を作成してください。以下の点を含めてください。 初回から短期的および長期的な目標を設定してください。 在宅介護者と当事者の今後が見通せるようなアドバイス内容を示してください。 社会資源を有効活用するための提案をしてください。 SWOT 分析とクロス SWOT 分析を行い、支援計画を策定してください。 BSC (バランススコアカード)と KPI (重要業績評価指標)を用いて進捗状況を求める形式でまとめてください。   解答例 1. 短期的目標 (1 〜 3 ヶ月 ) 目標 1   患者が週に 3 回以上自発的にトイレに行けるようになる。 目標 2   トイレへの移動をサポートするために、手すりを設置し、移動のための補助具を用意する。 目標 3   在宅介護者が排泄ケアに関する基本的な知識を学び、患者を安心させる声かけを行う。 2. 長期的目標 (6 ヶ月〜 1 年 ) 目標 1   患者がトイレに行くことに対する不安を軽減し、自発的にトイレに行くことができるようになる。 目標 2   家族が排泄ケアを自信を持って行えるようになり、定期的な相談を行う。 目標 3   地域の支援ネットワークを活用し、定期的な情報交換や研修に参加する。 3. アドバイス内容 介護者へのアドバイス 「トイレに行く前に、必ず声をかけてあげてください。また、手すりを設置して安全に移動できる環境を整えましょう。必要であれば訪問介護サービスを利用して、専門...

記述式ケース問題44 85歳女性、軽度の認知症を患っている。排泄に関しては自立を目指しているが、トイレの場所が分からなくなることが多く、トイレ誘導が必要。

排泄ケア相談員・シニアコース・記述式問題 ⇒※排泄ケア相談員については、家庭の排泄ケア相談所のWEBを参照ください。  https://www.sutokukai.or.jp/cssc/about/haisetsu.html 症例44 患者情報  85 歳女性、軽度の認知症を患っている。排泄に関しては自立を目指しているが、トイレの場所が分からなくなることが多く、トイレ誘導が必要。家族はフルタイムで働く息子と、その妻がサポートを行っている。患者は排泄に対して恥ずかしさを感じており、協力的でないことがある。 設問内容 この患者に対して、経過観察を行いながら、排泄ケアの支援計画書を作成してください。以下の点を含めてください。 初回から短期的および長期的な目標を設定してください。 在宅介護者と当事者の今後が見えるようなアドバイス内容を示してください。 社会資源を有効活用するための提案をしてください。 SWOT 分析とクロス SWOT 分析を行い、支援計画を策定してください。 BSC (バランススコアカード)と KPI (重要業績評価指標)を用いて進捗状況を求める形式でまとめてください。   解答例 1. 短期的目標 (1 〜 3 ヶ月 ) 目標 1   トイレ誘導の頻度を週に 5 回実施し、患者の安心感を向上させる。 目標 2   排泄ケアのためのマニュアルを作成し、家族に配布する。 目標 3   地域の訪問介護サービスに登録し、専門職によるアドバイスを受ける。 2. 長期的目標 (6 ヶ月〜 1 年 ) 目標 1   患者が自力でトイレに行く自信を持てるよう、自己管理能力を高める。 目標 2   家族が患者のケアに対して自信を持てるよう、定期的な研修に参加する。 目標 3   地域の認知症支援ネットワークと連携し、定期的な情報交換を行う。 3. アドバイス内容 介護者へのアドバイス  「トイレの場所を明示的に示すために、サインを付けておくと良いです。また、地域のサポートグループに参加して、他の介護者と経験を共有することも大切です。」 当事者...

小論文 ICFの視点から考える排泄ケア

排泄ケア相談員・シニアコース・記述式問題 ⇒※排泄ケア相談員については、家庭の排泄ケア相談所のWEBを参照ください。  https://www.sutokukai.or.jp/cssc/about/haisetsu.html ICF の視点から考える排泄ケア 排泄ケア総合研究所(排総研) 家庭の排泄ケア相談所 社会医療法人 地域総合サービスセンター副センター長 山口勇司 【はじめに】 排泄は人間の基本的な生理現象であり、健康維持と生活の質に深く関わる重要な行為です。しかし、高齢者や障害者など、一部の人々にとっては排泄の管理が困難であり、生活の自立度や社会参加に制約を与える要因となることがあります。 本稿では、排泄ケアを国際生活機能分類( ICF )の視点から考察し、その重要性と実践方法について論じます。 ICF は、健康状態とその関連する背景要因を包括的に捉え、個々の生活機能の改善を目指すための枠組みです。これを用いることで、排泄ケアの意義や効果をより具体的に理解し、適切な介入方法を導き出すことができます。   【 ICF の概念と排泄ケア】 ICF は、健康状態を「身体機能・構造」、「活動」、「参加」という三つの側面から評価します。また、これらに影響を与える「環境因子」と「個人因子」も考慮に入れています。排泄ケアにおいても、これらの視点から包括的に評価・介入することが重要です。   1. 身体機能・構造 排泄に関わる身体機能には、尿道や直腸の機能、筋力、神経伝達などが含まれます。これらの機能に障害がある場合、排泄の自立が難しくなります。具体的な介入としては、排泄リハビリテーションや適切な薬物療法、手術などが挙げられます。   2. 活動 活動の側面では、排泄動作の遂行能力が評価されます。例えば、トイレまでの移動、衣服の着脱、排泄動作そのものなどです。これらの活動が自立して行えない場合、介助や適切な支援具の利用が必要です。歩行補助具や自動トイレシートなどの導入が考えられます。   3. 参加 社会参加の側面では、排泄に関連する心理的負担や社会的な孤立感が問題となります。排泄の問題が原因で外出を控えることや、他人との交流を避けることが少なくありません。ここでは、心理的支援や環境調整が重要です。例えば、トイレの設置場所やアクセスの改...

記述式ケース問題36 75歳女性。アルツハイマー型認知症の診断を受けており、最近は暴力的な行動や暴言が増加している。

排泄ケア相談員・シニアコース・記述式問題 ⇒※排泄ケア相談員については、家庭の排泄ケア相談所のWEBを参照ください。  https://www.sutokukai.or.jp/cssc/about/haisetsu.html 症例36 患者情報  75 歳女性。アルツハイマー型認知症の診断を受けており、最近は暴力的な行動や暴言が増加している。介護者によるトイレ誘導に対し、強い拒否を示し、怒りを表すことが多い。排泄の管理が困難で、失禁が続いている。トイレに行かせると、しばしば暴力的な言動を取るため、介護者は心理的にストレスを感じている。 質問 この患者に対して、経過観察を行いながら継続的な排泄ケアに関する相談支援計画書を作成してください。具体的には、初回アドバイス、 1 週間後の経過観察後のアドバイス、 2 週間後の再評価後のアドバイスをそれぞれまとめてください。     解答例 相談支援計画書 患者情報 名前  佐藤花子 年齢  75 歳 診断  アルツハイマー型認知症 主な問題  暴力的行動、暴言、トイレ誘導の拒否、失禁 目標 患者が安心してトイレに行ける環境を整える。 介護者がストレスを軽減できるような支援を行う。 トイレ誘導の成功率を向上させる。 初回アドバイス( 1 日目) 環境の整備 トイレへの道を明るくし、障害物を取り除く。 トイレの内装を見やすい色に変更し、認識を助ける。 コミュニケーションの工夫 非言語的コミュニケーションを使用。優しいトーンで声をかけ、患者の目を見て接する。 トイレ誘導の際には、強い言葉を使わず、穏やかに話しかける。 共感と感情の理解 患者の不安や恐れに対して共感を示し、「今、何か不安なことがあるのかな?」と尋ねる。 患者が暴言を吐いた場合は、その気持ちを受け止める姿勢を持つ。 1 週間後の経過観察後のアドバイス( 7 日目) 経過の評価 患者の状態を観察し、暴力的な反応の頻度やトイレ誘導の成功率を記...

小論文 転倒事故に備える!85歳ひとり暮らしのための準備と知恵

⇒※排泄ケア相談員については、家庭の排泄ケア相談所のWEBを参照ください。  https://www.sutokukai.or.jp/cssc/about/haisetsu.html   転倒事故に備える!85歳ひとり暮らしのための準備と知恵 (排総研 山口) はじめに 高齢者にとって転倒事故は深刻なリスクとなることが多く、特にひとり暮らしの高齢者においては、転倒後の対応が遅れることで、重大な結果を引き起こす可能性があります。本論文では、85歳のひとり暮らし高齢者を想定し、転倒事故に備えるための知恵やアイデアについてまとめ、日常生活で実践できる予防策や緊急時の対応、さらに退院後の生活支援の重要性について考察します。 転倒予防と自宅環境の整備 転倒予防のためには、まず生活環境の見直しが不可欠です。自宅内での転倒は、滑りやすい床や段差、暗い場所が原因となることが多く見られます。これを防ぐためには、滑り止めマットや段差解消スロープを設置し、夜間でも見やすい照明を取り付けることが効果的です。また、浴室やトイレなど転倒の危険が高い場所には、手すりを設置することが望まれます。家具の配置も重要であり、動線を確保し、転倒しにくい安全な居住空間を整えることが必要です。 金銭面での準備 転倒後、入院や手術が必要となるケースでは、金銭管理が一つの大きな課題となります。入院中の光熱費や公共料金の支払いが滞らないよう、自動引き落としの設定を事前に行っておくことが有効です。また、高額な医療費が発生した場合に備えて、高額療養費制度の利用方法を理解し、必要な手続きを事前に済ませておくことも大切です。さらに、金銭管理を信頼できる家族や友人に依頼する準備をしておくことで、入院中でも安心して生活を維持することができます。 緊急時の対応策 転倒した際に救援を呼べないという事態を防ぐため、日頃からの備えが重要です。例えば、ホイッスルや携帯電話を常に身近に置いておき、緊急時にはすぐに助けを呼べるようにすることが必要です。また、スマートフォンに緊急通報アプリを設定し、ワンタッチで救急車や家族に連絡できる仕組みを整えることも有効です。電話の位置は、床に座った状態でも手が届く場所に設置し、転倒時にすぐに連絡できるよう配慮することが望ましいです。 退院後の生活支援 転倒後に入院し、大腿骨頸部骨折などで手術を受...

小論文 死と生の境界線に関する死生観

⇒※排泄ケア相談員については、家庭の排泄ケア相談所のWEBを参照ください。  https://www.sutokukai.or.jp/cssc/about/haisetsu.html 死と生の境界線に関する死生観                                   排総研/山口 【はじめに】 死という現象は人類にとって究極の謎であり、その理解は文化や時代によってさまざまに変化してきました。死を「生物としての死」、「社会的な死」、「自我の死」という三つの側面から考えることで、死と生の境界線がどれほど曖昧であるかが浮かび上がります。本稿では、この三つの死の観点から、死と生の境界線がどのように死生観に影響を与えるかを考察します。 【三つの死の概念】 1. 生物としての死 生物としての死は、医学的には心臓の停止や脳死といった身体的機能の停止を意味します。現代医療では、この形態の死が最も明確に測定可能であり、死の判断基準とされています。しかし、この定義は生物学的に一元的であり、人間の存在の他の側面を見落としがちです。生物としての死は生命の終焉を示す一方で、その人の社会的役割や影響は残り続けることがあります。   2. 社会的な死 社会的な死は、個人が社会的に存在しなくなることを意味します。例えば、法律上の死や長期間の意識不明状態、社会からの隔離などがこれに該当します。この形態の死は、社会的役割や他者との関係が終わることを示しています。社会的な死が訪れると、個人は社会の中での記憶や影響を通じて生き続けることがあるため、死後の影響力を考える際には重要な概念です。   3. 自我の死 自我の死とは、個人の意識や自己認識が消失することを指します。認知症や重度の精神障害によって、個人が自分自身を認識できなくなる状態を指します。身体的には生きていても、本人の視点からは自我が消失しているため、ある意味では「死」とも言えます。自我の死は、個人が内的に経験する生と死の境界線を示しており、外部からの視点との乖離が生じる場合があります。   【考 察】 死と生の境界線が曖昧である理由は、まず生物学的な観点だけでは人間の存在を完全に説明できないことにあります。生物学的には呼吸停止、心拍停止、瞳孔散大という...

解説 ご町内の高齢者の皆様が知っておくべき備えと対策

ご町内の高齢者の皆様が知っておくべき備えと対策 (排総研 山口) ご町内の高齢者の皆様、特に独居高齢者や高齢者家族がいる方々にとって、日常生活や緊急事態に備えることは重要です。転倒事故や突然の入院といった予期しない事態に備え、日頃からできる準備や、必要なサポート体制の整備についてまとめました。   1. 日常生活における備え ①自宅環境の見直しと安全対策 転倒リスクの軽減 : 家の中の段差や滑りやすい床を見直し、転倒の危険がないように対策します。手すりの設置や、家具の配置を工夫して動きやすい空間を作ることが重要です。特に浴室やトイレ、廊下などは、滑り止めマットや手すりを活用し、安全な環境を整えます。 履物や床材の工夫 : 室内履きはかかとのある安定したものを選び、転倒を防ぎます。夜間にトイレに行く際のために、足元が明るくなるライトやセンサーライトを設置しておくと安心です。 ②緊急時に備えた金銭管理 自動引き落とし設定 : 公共料金や医療費の支払いは、事前に自動引き落としを設定しておくことで、入院中や緊急時でも支払いが滞らないようにします。光熱費や電話料金など、生活インフラに関わる支払いは特に重要です。 高額療養費制度の活用 : 医療費が高額になった場合に備えて、高額療養費制度や限度額適用認定証を事前に申請しておくと、入院時の経済的な負担が軽減されます。   2. 緊急時の備えと対応策 ①緊急通報や連絡体制の整備 緊急通報システムの導入 : 一人暮らしの高齢者にとって、万が一の転倒や体調不良時に迅速に助けを呼べる緊急通報システムは非常に有効です。ホイッスルや携帯電話を常に持ち歩くことも重要ですが、町内会で利用できる見守りサービスや緊急コールシステムの導入も検討しましょう。 連絡先の整理と掲示 : 緊急連絡先は冷蔵庫や電話の近くに掲示し、すぐに見つけられるようにしておきます。家族や友人の連絡先を携帯電話に登録し、短縮番号で簡単に連絡が取れるようにしておくことも便利です。 ②鍵の管理と外部支援 信頼できる人への鍵の預け入れ : 近隣に住む家族や信頼できるご近所の方に鍵を預けておくことで、緊急時に対応してもらうことが可能です。また、町内会で「見守り活動」を行っている場合は、その活動を利用し、鍵の管理や緊急時の対応を頼む...