投稿

ラベル(#支援)が付いた投稿を表示しています

記述式ケース問題46 82歳女性。大腿骨頸部骨折により手術を受けた後、退院して在宅介護を受けている。

症例46 患者情報  82 歳女性。大腿骨頸部骨折により手術を受けた後、退院して在宅介護を受けている。認知症の周辺症状(混乱、焦り、意欲低下)があり、特に排泄ケアにおいてトイレへの移動を拒否したり、トイレの場所を忘れることがある。家族(息子)が在宅介護を行っているが、介護者はストレスを感じている。 質問 この患者に対して、経過観察を行いながら排泄ケアの支援計画書を作成してください。以下の点を含めてください。 初回から短期的および長期的な目標を設定してください。 在宅介護者と当事者の今後が見通せるようなアドバイス内容を示してください。 社会資源を有効活用するための提案をしてください。 SWOT 分析とクロス SWOT 分析を行い、支援計画を策定してください。 BSC (バランススコアカード)と KPI (重要業績評価指標)を用いて進捗状況を求める形式でまとめてください。     解答例 1. 短期的目標 (1 〜 3 ヶ月 ) 目標 1   患者が週に 2 回以上自発的にトイレに行くことを受け入れる。 目標 2   トイレの環境を整備し、快適さを向上させる(例  照明を明るくし、トイレの近くにサポートのための椅子を置く)。 目標 3   週に 1 回、訪問介護サービスを利用し、専門職からの支援を受ける。 2. 長期的目標 (6 ヶ月〜 1 年 ) 目標 1   患者がトイレに行くことに対する不安感を軽減し、自発的にトイレに行くことができるようにする。 目標 2   家族が介護に関する情報を得て、患者の排泄ケアに積極的に関与する。 目標 3   地域の支援ネットワークを活用し、定期的な情報交換や研修に参加する。 3. アドバイス内容 介護者へのアドバイス 「患者さんがトイレに行くことができるように、快適な環境を整えましょう。トイレの近くに椅子を置いたり、必要なサポートを提供してあげてください。訪問介護サービスを利用して専門職からの支援を受けることも大切です。」 当事者へのアドバイス ...

記述式ケース問題45 82歳男性。大腿骨頸部骨折後、手術を受けて入院中。

排泄ケア相談員・シニアコース・記述式問題 ⇒※排泄ケア相談員については、家庭の排泄ケア相談所のWEBを参照ください。  https://www.sutokukai.or.jp/cssc/about/haisetsu.html 症例45 患者情報  82 歳男性。大腿骨頸部骨折後、手術を受けて入院中。術後のリハビリを開始しているが、認知症周辺症状(不安、混乱、意欲低下)があり、排泄ケアにおいてトイレに行くことを拒否したり、トイレの場所を忘れることがある。自宅では子どもが在宅介護を行っているが、介護者がストレスを感じている。 質問 この患者に対して、経過観察を行いながら排泄ケアの支援計画書を作成してください。以下の点を含めてください。 初回から短期的および長期的な目標を設定してください。 在宅介護者と当事者の今後が見えるようなアドバイス内容を示してください。 社会資源を有効活用するための提案をしてください。 SWOT 分析とクロス SWOT 分析を行い、支援計画を策定してください。 BSC (バランススコアカード)と KPI (重要業績評価指標)を用いて進捗状況を求める形式でまとめてください。     解答例 1. 短期的目標 (1 〜 3 ヶ月 ) 目標 1   患者が週に 3 回トイレに行くことを受け入れる。 目標 2   排泄時の不安感を軽減するために、リラックスできる環境を整える(音楽や香りの利用)を実施する。 目標 3   訪問介護サービスを週に 2 回利用し、専門職からのサポートを受ける。 2. 長期的目標 (6 ヶ月〜 1 年 ) 目標 1   患者がトイレに行くことに対する不安感を軽減し、自発的にトイレに行くことができるようにする。 目標 2   家族が介護に関する情報を得て、患者の排泄ケアに積極的に関与する。 目標 3   地域の支援ネットワークを活用し、定期的な情報交換や研修に参加する。 3. アドバイス内容 介護者へのアドバイス  「トイレに行くことはとても大切です。もし患者さんが不安そうにしている場合...

記述式ケース問題43 78歳男性、認知症(アルツハイマー型)の診断。排泄ケアが必要だが、トイレへの誘導を拒否し、失禁が頻繁に見られる。

排泄ケア相談員・シニアコース・記述式問題 ⇒※排泄ケア相談員については、家庭の排泄ケア相談所のWEBを参照ください。  https://www.sutokukai.or.jp/cssc/about/haisetsu.html 症例43 患者情報  78 歳男性、認知症(アルツハイマー型)の診断。排泄ケアが必要だが、トイレへの誘導を拒否し、失禁が頻繁に見られる。徘徊や興奮があり、在宅介護者は介護に疲れている。介護者に対するサポートも必要。 質問 この患者に対して、経過観察を行いながら継続的な排泄ケアに関する支援計画書を作成してください。具体的には、短期的な目標と長期的な目標を設定し、初回アドバイス、短期目標に向けたアドバイス( 1 ヶ月以内)、長期目標に向けたアドバイス( 3 ヶ月以内)を、在宅介護者がモチベーションを上げられるように具体的かつ励みになる内容でまとめ、リハビリを含めてください。     解答例 支援計画書 患者情報 名前  佐〇〇太郎 年齢  78 歳 性別  男性 診断  アルツハイマー型認知症 主な問題  排泄ケアへの拒否、頻繁な失禁、トイレ誘導の困難、徘徊 短期的目標 トイレ誘導に対する拒否行動を 40% 減少させる (初回から 1 ヶ月以内)。 失禁の回数を週に 2 回以下に抑える 。 長期的目標 トイレ誘導を 80% の成功率で行えるようにする ( 3 ヶ月以内)。 患者が自発的にトイレに行く頻度を増加させる (週に 3 回以上の自発的トイレ利用)。 初回アドバイス( 1 日目) 環境の整備 トイレの周囲を明るくし、見える場所に目印を設置。トイレの使用を促すため、カラフルなマットやシールを使う。 トイレの中に安心感を持たせるために、好みの香りの消臭剤を使ったり、好きな写真を飾ったりする。 信頼関係の構築 「トイレに一緒に行こう」と優しく声をかけ、手をつないで一緒に移動することで安心感を与える。 介護者は落ち着いた声で「大丈夫、一緒に行こうね」と繰り返し伝え...

記述式ケース問題42 78歳女性。軽度の認知症を持ち、最近は幻視やせん妄の症状が出現している。入院中で、排泄に関してのサポートが必要。

排泄ケア相談員・シニアコース・記述式問題 ⇒※排泄ケア相談員については、家庭の排泄ケア相談所のWEBを参照ください。  https://www.sutokukai.or.jp/cssc/about/haisetsu.html 症例42 患者情報  78 歳女性。軽度の認知症を持ち、最近は幻視やせん妄の症状が出現している。入院中で、排泄に関してのサポートが必要。排泄ケアに対する拒否感が強く、トイレへの誘導やオムツ交換を行うと激しく抵抗することがある。 質問 この患者に対して、経過観察を行いながら継続的な排泄ケアを提供するためのアドバイスを初回から数回にわたって求めます。具体的には、初回アドバイス、 1 週間後の経過観察後のアドバイス、 2 週間後の再評価後のアドバイスをそれぞれ記載してください。     解答例 初回アドバイス 環境の整備  トイレの周辺を明るくし、視認性を高めるために必要な明かりを確保します。また、患者が安心して利用できるよう、トイレ内に気に入った絵や装飾を飾ります。 幻視への配慮  幻視に対する理解を深め、患者が何を見ているのかを静かに尋ね、共感的な態度で接します。「何が見えますか?」と問いかけ、彼女の感じていることを受け止める姿勢が大切です。 リラックスできる誘導方法  排泄ケアの際には、穏やかな声で「一緒に行きましょうか?」と誘導し、あまり強く促さないようにします。好きな音楽を流すことで、リラックスできる環境を作ることも効果的です。 皮膚ケアの実施  失禁がある場合、皮膚の清潔を保つために、頻繁にオムツ交換を行い、湿った皮膚を清潔に保つよう心掛けます。必要に応じて、バリアクリームなどを使用して皮膚の保護を行います。 1 週間後の経過観察後のアドバイス 経過の評価  患者は幻視が続いているが、トイレの使用に対する抵抗が若干和らいでいる。時折、トイレの場所を忘れることがあるため、方向感覚のサポートが必要。 継続的な誘導方法の改善  トイレに行く際には、具体的な言葉で場所を指示し、同行することを強調します。「お手洗いはここです。一緒に行き...

小論文 認知症における行動・心理症状(BPSD)について

排泄ケア相談員・シニアコース・記述式問題 ⇒※排泄ケア相談員については、家庭の排泄ケア相談所のWEBを参照ください。  https://www.sutokukai.or.jp/cssc/about/haisetsu.html   認知症における行動・心理症状( BPSD )について              排総研/ 山口勇司 【はじめに】 初めて認知症と向き合う方やその家族は、多くの不安や心配に直面することが多いでしょう。しかし、認知症についての正しい知識を持つことで、視野が広がり、気持ちに余裕が生まれます。ここでは、認知症に関する基礎知識と、その中でも行動・心理症状( BPSD )について説明します。   【認知症の症状】 認知症の症状は大きく二つに分けられます。一つは、脳の細胞が壊れることによって生じる中核症状です。中核症状には、記憶障害、判断力障害、問題解決能力の障害、実行機能障害、見当識障害(場所や時間、人物の認識障害)、失行(ボタンをはめられないなど)、失認(道具の使い道がわからなくなる)、失語(ものの名前がわからなくなる)などがあります。 もう一つは、中核症状によって二次的に引き起こされる行動・心理症状で、 BPSD ( Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia )と呼ばれます。 BPSD には、睡眠障害、幻覚、妄想、道迷い、暴言・暴力、拒食、うつなどが含まれます。例えば、財布をしまった場所がわからなくなり、「誰かに盗まれた」と思い込む「盗られ妄想」は BPSD の一例です。 BPSD はその人の性格や環境によって異なり、その理由を理解し、適切な対応を取ることで改善する可能性があります。   【主な BPSD の症状と対応】 1. 睡眠障害 日中にうとうと寝てしまい、夜は目が覚めてしまう睡眠障害は、 BPSD の中で最も多い症状です。特にアルツハイマー型認知症では、 1 日の覚醒・睡眠のリズムが弱まり、日中に眠気が強く、夜に熟睡できない状態になります。そのため、午前中には光を浴び、昼からは適度な運動を行うなど、生活リズムを整えることが重要です。 2. ...

小論文 ICFの視点から考える排泄ケア

排泄ケア相談員・シニアコース・記述式問題 ⇒※排泄ケア相談員については、家庭の排泄ケア相談所のWEBを参照ください。  https://www.sutokukai.or.jp/cssc/about/haisetsu.html ICF の視点から考える排泄ケア 排泄ケア総合研究所(排総研) 家庭の排泄ケア相談所 社会医療法人 地域総合サービスセンター副センター長 山口勇司 【はじめに】 排泄は人間の基本的な生理現象であり、健康維持と生活の質に深く関わる重要な行為です。しかし、高齢者や障害者など、一部の人々にとっては排泄の管理が困難であり、生活の自立度や社会参加に制約を与える要因となることがあります。 本稿では、排泄ケアを国際生活機能分類( ICF )の視点から考察し、その重要性と実践方法について論じます。 ICF は、健康状態とその関連する背景要因を包括的に捉え、個々の生活機能の改善を目指すための枠組みです。これを用いることで、排泄ケアの意義や効果をより具体的に理解し、適切な介入方法を導き出すことができます。   【 ICF の概念と排泄ケア】 ICF は、健康状態を「身体機能・構造」、「活動」、「参加」という三つの側面から評価します。また、これらに影響を与える「環境因子」と「個人因子」も考慮に入れています。排泄ケアにおいても、これらの視点から包括的に評価・介入することが重要です。   1. 身体機能・構造 排泄に関わる身体機能には、尿道や直腸の機能、筋力、神経伝達などが含まれます。これらの機能に障害がある場合、排泄の自立が難しくなります。具体的な介入としては、排泄リハビリテーションや適切な薬物療法、手術などが挙げられます。   2. 活動 活動の側面では、排泄動作の遂行能力が評価されます。例えば、トイレまでの移動、衣服の着脱、排泄動作そのものなどです。これらの活動が自立して行えない場合、介助や適切な支援具の利用が必要です。歩行補助具や自動トイレシートなどの導入が考えられます。   3. 参加 社会参加の側面では、排泄に関連する心理的負担や社会的な孤立感が問題となります。排泄の問題が原因で外出を控えることや、他人との交流を避けることが少なくありません。ここでは、心理的支援や環境調整が重要です。例えば、トイレの設置場所やアクセスの改...