片貝まつりの秘話・逸話集
片貝まつりの秘話・逸話集
片貝まつりには、歴史の深さゆえの興味深いエピソードがいくつかあります。
1. 「片貝から嫁をもらうな、片貝へ嫁にやるな」
昔から周囲で言われていた言葉です。
理由は、花火奉納文化が強すぎるため。
住民は生涯で花火に数百万円単位のお金を使うと言われ、「お金がかかりすぎる」「祭りのために帰省しなければならない」といった理由で敬遠されていたそうです。
今ではこの文化が逆に「強い絆の証」として誇りに思われています。
2. 同級会(同窓会)の絆がすごい
片貝中学校を卒業すると、必ず、同級会(飛翔会・一進会・つぐみ会など)を結成します。
- 20歳前後から「花火貯金」を開始。
- 成人・還暦・古希などの節目に同級生みんなで花火を奉納。
- 遠方に嫁いだ女性も、この時期だけは必ず帰省する。
- 物故者(亡くなった同級生)の追善供養としても花火を上げる。
この「同級会の結束」が、片貝まつりの最大の原動力になっています。
3. 四尺玉誕生の裏側(1984-1985年)
- 1984年:朗志会(42歳学年)が初挑戦 → 本番失敗。
- 1985年:永遠会が引き継ぎ → 世界初成功。
- 失敗した朗志会は「サントリー地域文化賞」を受賞(挑戦そのものが評価された)。
- 当時中学生だった現社長(本田正憲氏)は、「どうやってあの玉が空に上がるのか想像もつかなかった」と語っています。
1. 花火師の夢の言い伝え(伝説)
花火製造の危機の時に、花火工場の薄暗い保管庫で美しい女性の幻が見えるという言い伝えがあります。
複数の花火師が同じ夢を見て、花火玉が「自分はどう花開きたいか」を語りかけてくる……という不思議な話が、職人の家系に代々伝わっています。
5. その他の面白い話
- 9月9・10日に開催される理由の一つに、「他の奇数月の節句(1月1日、3月3日、5月5日、7月7日)ですでにイベントがあるから、9月9日に遊び心で決めた」という説があります。
- コロナ禍で花火が中止になった時、住民は非常に落胆。花火のない夏は「片貝のアイデンティティが失われた」ように感じられたそうです。
片貝まつりは、世界一の技術と極めて強い地域の絆・祈りの心が融合した、非常に人間味あふれるお祭りです。