相関関係と因果関係の違いを気にしなくても良い場合
相関関係と因果関係の違いを気にしなくても良い場合
ここまで相関関係と因果関係を混同するリスクについてお話してきましたが、因果関係を気にしなくても良い場合があります。
それは、データ分析の目的が検証ではなく予測だけである場合です。
データから何かを予測する場合、予測するものとデータの間が相関関係でも因果関係でも予測精度に大きな差は生じません。
ここでも簡単な例を使って説明していきましょう。
鶏が鳴くことと、日が昇ることは過去のデータから相関関係にはあることが分かっています。しかし鶏が鳴くことが原因で日が昇るわけではありませんので、因果関係はないと言えます。日が昇る原因を特定することが目的であれば、もちろん因果関係を考えながら分析をしなければなりません。しかし日が昇る時間を予測するだけであれば、相関関係だけでも十分です。なぜなら因果関係はなくても鶏が鳴いたタイミングで日が昇る傾向があるという事実は変わらないからです。そのため鶏の鳴いたタイミングを利用して、精度の高い予測を行うことも可能です。このように分析の目的が予測だけの場合は、相関関係と因果関係の違いをそれほど気にする必要はありません。