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対応のあるt検定、独立したスチューデントのt検定、ウェルチのt検定の違い

  【対応のある t 検定、独立したスチューデントの t 検定、ウェルチの t 検定の違い】 ①       対応のある t 検定  (Paired t-test) は、同じ対象や被験者に対する 2 つの条件または処置の比較に使用されます。例えば、同じ被験者に対して前後の時間点でのデータを比較する場合や、対象者間でペアをなす場合などが該当します。この検定では、対象者ごとに 2 つの条件の差を計算し、その差の平均と標準誤差を用いて t 値を計算します。 ②       独立のあるスチューデントの t 検定  (Independent t-test) は、 2 つの異なるグループ(独立した群)間の平均値の比較に使用されます。例えば、治療群と対照群の間の比較や、男性と女性の間の比較などが該当します。この検定では、 2 つのグループの平均値と分散を用いて t 値を計算します。したがって、主な違いはデータの関係性にあります。対応のある t 検定では、同じ対象や被験者に対する 2 つの条件の比較が行われますが、独立のあるスチューデントの t 検定では、 2 つの異なるグループ間の比較が行われます。 ③       ウェルチの t 検定  (Welch's t-test) は、サンプルサイズが等しくない場合に使用されます。ウェルチの t 検定は、等分散性の仮定を置かずに、異なるサンプルサイズを持つ 2 つのグループの平均値を比較します。異なるグループ間の平均値の差を検定する際に、ウェルチの t 検定は一般的により信頼性が高い結果を提供します。 ④       これらの検定手法の選択 は、研究デザインやデータの特性によって異なります。対応のある t 検定は関連するデータを比較する場合に適しており、独立したスチューデントの t 検定は異なるグループ間の比較に適しています。ウェルチの t 検定は、等分散性の仮定が満たされない場合に使用されます。

例題 ある病院で、新しい排泄ケアトレーニングプログラムが導入(前の例題との違い)

例題 ある病院で、新しい排泄ケアトレーニングプログラムが導入され、その結果として看護師の排泄ケア時間が変化したかどうかを調査します。 10 人の看護師がトレーニング前とトレーニング後の排泄ケア時間に関するデータを提供しました。 トレーニング前のデータ X=[28,32,25,30,35,28,29,31,27,33] トレーニング後のデータ Y=[24,30,22,28,31,26,27,29,23,32] 帰無仮説   トレーニングプログラムの導入後、看護師の排泄ケア時間に変化がない 対立仮説   トレーニングプログラムの導入後、看護師の排泄ケア時間が減少した ここでは、スチューデントの t 検定を使用した Python コードを示し、そこで計算を行い、結果を解釈してください。   スチューデントの t 検定(独立サンプル t 検定)を使用した Python コードを以下に示します。 from scipy.stats import ttest_ind # トレーニング前のデータ before_training = [28, 32, 25, 30, 35, 28, 29, 31, 27, 33] # トレーニング後のデータ after_training = [24, 30, 22, 28, 31, 26, 27, 29, 23, 32] # スチューデントの t 検定を実行 t_statistic, p_value = ttest_ind(before_training, after_training) # 結果の表示 print(" スチューデントの t 検定(独立サンプル t 検定) ") print("t 統計量= ", t_statistic) print("p 値= ", p_value) 出力結果 スチューデントの t 検定(独立サンプル t 検定) t 統計量= 1.8027756377319957 p 値= 0.08819202918610555   計算結果の解釈としては、 t 統計量は、トレーニング前後のデータの平均値の差を示します。 p 値は、帰無仮説(「トレーニングプログラムの導入...

例題 看護師がトレーニング前とトレーニング後の排泄ケア時間に差があるかを調査分析

例題 ある病院で、新しい排泄ケアトレーニングプログラムが導入され、その結果として看護師の排泄ケア時間が変化したかどうかを調査します。 10 人の看護師がトレーニング前とトレーニング後の排泄ケア時間に関するデータを提供しました。 トレーニング前のデータ X=[28,32,25,30,35,28,29,31,27,33] トレーニング後のデータ Y=[24,30,22,28,31,26,27,29,23,32] 帰無仮説   トレーニングプログラムの導入後、看護師の排泄ケア時間に変化がない 対立仮説   トレーニングプログラムの導入後、看護師の排泄ケア時間が減少した ここでは、対応のあるサンプル(同じ看護師の前後のデータ)の場合の対応のある t 検定を使用した Python コードを示し、そこで計算を行い、結果を解釈してください。   対応のあるサンプル(同じ看護師の前後のデータ)の場合の対応のある t 検定を使用した Python コードを以下に示します。 from scipy.stats import ttest_rel # トレーニング前のデータ before_training = [28, 32, 25, 30, 35, 28, 29, 31, 27, 33] # トレーニング後のデータ after_training = [24, 30, 22, 28, 31, 26, 27, 29, 23, 32] # 対応のある t 検定を実行 t_statistic, p_value = ttest_rel(before_training, after_training) # 結果の表示 print(" 対応のある t 検定(ペアサンプル t 検定) ") print("t 統計量= ", t_statistic) print("p 値= ", p_value) 出力結果 対応のある t 検定(ペアサンプル t 検定) t 統計量= 7.648529270389177 p 値= 3.163508346837849e-05   計算結果の解釈としては、 t 統計量は、トレーニング前後のデータの平均値の差を示します...

例題 トレーニングプログラムの導入前と導入後で看護師の排泄ケア時間に差があるかどうかを調査

例題 トレーニングプログラムの導入前と導入後で同じ 10 人の看護師の排泄ケア時間に差があるかどうかを調査する。 •トレーニングプログラム導入前のランダムな 10 人の看護師の排泄ケア時間データ X=[28,32,25,30,35,28,29,31,27,33] •トレーニングプログラム導入後の同じ 10 人の看護師の排泄ケア時間データ Y=[24,30,22,28,31,26,27,29,23,32] 以上のデータを対応のある t 検定を使用した Python コードを示して、検定統計量を計算し、結果を解釈してください。   対応のある t 検定(ペアサンプル t 検定)を使用して、トレーニングプログラムの導入前後で同じ 10 人の看護師の排泄ケア時間に差があるかどうかを検定する Python コードを以下に示します。 from scipy.stats import ttest_rel # データセット before_program = [28, 32, 25, 30, 35, 28, 29, 31, 27, 33] after_program = [24, 30, 22, 28, 31, 26, 27, 29, 23, 32] # 対応のある t 検定を実行 t_statistic, p_value = ttest_rel(before_program, after_program) # 結果の表示 print(" 対応のある t 検定(ペアサンプル t 検定) ") print("t 統計量= ", t_statistic) print("p 値= ", p_value) 出力結果 対応のある t 検定(ペアサンプル t 検定) t 統計量= 7.648529270389177 p 値= 3.163508346837849e-05   計算結果の解釈として、 t 統計量は、 2 つの対応したサンプルの平均値の差を検定するための値であり、その絶対値が大きいほど差がある可能性が高まります。 p 値は、帰無仮説「トレーニングプログラムの導入前後で看護師の排泄ケア時間に差がない」が正しい確率を示します。 p 値が有意...

例題 病院Aと病院Bの看護師の排泄ケア時間に差があるかどうかを調査

例題 病院 A と病院 B の看護師の排泄ケア時間に差があるかどうかを調査する。 •病院 A のランダムな 10 人の看護師の排泄ケア時間データ A=[28,32,25,30,35,28,29,31,27,33] •病院 B のランダムな 10 人の看護師の排泄ケア時間データ B=[24,30,22,28,31,26,27,29,23,32] 以上のデータを対応のない t 検定(独立サンプル t 検定)を使用した Python コードを示して、検定統計量を計算し、結果を解釈してください。   対応のない t 検定(独立サンプル t 検定)を使用して、病院 A と病院 B の看護師の排泄ケア時間に差があるかどうかを検定する Python コードを示します。 from scipy.stats import ttest_ind # データセット hospital_A = [28, 32, 25, 30, 35, 28, 29, 31, 27, 33] hospital_B = [24, 30, 22, 28, 31, 26, 27, 29, 23, 32] # 対応のない t 検定を実行 t_statistic, p_value = ttest_ind(hospital_A, hospital_B) # 結果の表示 print(" 対応のない t 検定(独立サンプル t 検定) ") print("t 統計量= ", t_statistic) print("p 値= ", p_value) 出力結果 対応のない t 検定(独立サンプル t 検定) t 統計量= 1.8027756377319957 p 値= 0.08819202918610555   計算結果の解釈としては、 t 統計量は、 2 つの独立したサンプルの平均値の差を検定するための値であり、その絶対値が大きいほど差がある可能性が高まります。 p 値は、帰無仮説「 2 つの病院の看護師の排泄ケア時間に差がない」が正しい確率を示します。 p 値が有意水準(通常は 0.05 )よりも小さい場合、帰無仮説を棄却し、差があると結論できます。 結果を確認すると、 p ...

例題 ある病院で、新しい排泄ケアトレーニングプログラムが導入された後、看護師の排泄ケア時間(分)に変化があるかどうかを検定

例題 ある病院で、新しい排泄ケアトレーニングプログラムが導入された後、看護師の排泄ケア時間(分)に変化があるかどうかを検定したいとします。以下は、トレーニングプログラム導入前と導入後の 10 人の看護師に対するデータです。 トレーニングプログラム導入前 28,32,25,30,35,28,29,31,27,3328,32,25,30,35,28,29,31,27,33 トレーニングプログラム導入後 24,30,22,28,31,26,27,29,23,3224,30,22,28,31,26,27,29,23,32 このデータを使用して、トレーニングプログラムの導入によって看護師の排泄ケア時間が変化したかどうかを検定します。ここでは、片側検定(導入後の平均時間が減少したか)と両側検定(導入後の平均時間が変化したか)の両方の例を Python コードで示し、計算結果を解釈してください。   片側検定(導入後の平均時間が減少したか)と両側検定(導入後の平均時間が変化したか)の両方の例を示します。片側検定は通常、導入後の変化の方向性に特定の仮説がある場合に使用されます。   片側検定(導入後の平均時間が減少したか) from scipy.stats import ttest_rel # データセット before_training = [28, 32, 25, 30, 35, 28, 29, 31, 27, 33] after_training = [24, 30, 22, 28, 31, 26, 27, 29, 23, 32] # 片側検定を実行 t_statistic, p_value = ttest_rel(before_training, after_training) # 結果の表示 print(" 片側検定(導入後の平均時間が減少したか) ") print("t 統計量= ", t_statistic) print("p 値= ", p_value / 2)   # 片側検定の場合は p 値を 2 で割る 出力結果 片側検定(導入後の平均時間が減少したか) t 統計量= 7.648529270389177 p ...

例題 前回と同一問題を非パラメトリック検定で解く

例題 前回と同一問題を非パラメトリック検定などを用いた Python コードを示し、結果を解釈してください。   非パラメトリック検定としては、ウィルコクソン符号順位検定( Wilcoxon signed-rank test )が対応のあるサンプルの比較に使用されます。以下は、 Python でのコードの例です。 from scipy.stats import wilcoxon # データセット before_training = [28, 32, 25, 30, 35, 28, 29, 31, 27, 33] after_training = [24, 30, 22, 28, 31, 26, 27, 29, 23, 32] # ウィルコクソン符号順位検定を実行 statistic, p_value = wilcoxon(before_training, after_training) # 結果の表示 print(" ウィルコクソン符号順位検定 ") print(" 統計量= ", statistic) print("p 値= ", p_value) 出力結果 ウィルコクソン符号順位検定 統計量= 0.0 p 値= 0.001953125   計算結果の解釈として、 p 値が有意水準(通常は 0.05 )よりも小さい場合、帰無仮説「トレーニングプログラムの導入前後で変化がない」を棄却し、データには統計的に有意な変化があると結論できます。 p 値が有意水準よりも大きい場合は帰無仮説を棄却できないため、データに有意な変化があるとは言えません。 出力結果を確認すると、統計量が 0.0 ということは、標本間の中央値の差が 0 であることを示しています。つまり、 2 つの標本間には中央値の差がほとんどない、または全くないということです。また、 p 値が 0.001953125 ということは、この差が無作為ではないことを示しています。具体的には、この p 値は統計的に有意であり、差が無作為ではなく、実際に存在することを示唆しています。したがって、この結果から、サンプルデータ間には統計的に有意な差があることが示されています。 非パラメ...

例題 看護師の排泄ケア時間が新しいトレーニングプログラム導入後で変化したか?

例題 ある病院で行われた排泄ケアに関する調査で、看護師の 1 週間あたりの排泄ケア時間(分)が新しいトレーニングプログラム導入前と導入後で変化したかどうかを検定したいとします。以下は、トレーニングプログラム導入前と導入後の 10 人の看護師に対するデータです。 トレーニングプログラム導入前 28,32,25,30,35,28,29,31,27,3328,32,25,30,35,28,29,31,27,33 トレーニングプログラム導入後 24,30,22,28,31,26,27,29,23,3224,30,22,28,31,26,27,29,23,32 このデータを使用して、トレーニングプログラムの導入によって看護師の排泄ケア時間に変化があるかどうかを検定する Python コードを示して、その計算結果を解釈してください。   トレーニングプログラム導入前後での排泄ケア時間の変化を検定するには、対応するサンプルに対する対応のある t 検定を使用できます。以下は、 Python コードの例です。 import numpy as np from scipy import stats # データセット before_training = np.array([28, 32, 25, 30, 35, 28, 29, 31, 27, 33]) after_training = np.array([24, 30, 22, 28, 31, 26, 27, 29, 23, 32]) # 対応のある t 検定を実行 t_statistic, p_value = stats.ttest_rel(before_training, after_training) # 結果の表示 print("t 統計量= ", t_statistic) print("p 値= ", p_value) 出力結果 t 統計量= 7.648529270389177 p 値= 3.163508346837849e-05   このコードでは、 stats.ttest_rel 関数を使用して対応のある t 検定を実行しています。結果として得られる p 値を通常の有意水準(例えば 0.05 )...

例題 看護師の排泄ケア時間と患者の回復時間の母相関係数の95%信頼区間を求めるpythonコード

例題 ある病院で行われた排泄ケアに関する調査で、看護師の 1 週間あたりの排泄ケア時間(分)と患者の回復時間(日)のデータが得られました。以下は 10 人の患者に対するデータです。看護師の排泄ケア時間は、 [28,32,25,30,35,28,29,31,27,33] であり、患者の回復時間  [5,4,7,3,6,5,6,4,8,3] でした。 このデータを使用して、看護師の排泄ケア時間と患者の回復時間の母相関係数の 95% 信頼区間を求める python コードを示して、その計算結果を解釈してください。   母相関係数の 95% 信頼区間を求めるためには、 SciPy ライブラリなどを使用して Pearson の相関係数を計算し、その信頼区間を得ることができます。以下は、 Python コードの例です。 import numpy as np from scipy import stats # データセット nurse_care_time = np.array([28, 32, 25, 30, 35, 28, 29, 31, 27, 33]) patient_recovery_time = np.array([5, 4, 7, 3, 6, 5, 6, 4, 8, 3]) # 相関係数の計算 correlation_coefficient = np.corrcoef(nurse_care_time, patient_recovery_time)[0, 1] # ブートストラップ法による相関係数の 95% 信頼区間を計算 num_simulations = 10000 bootstrap_correlations = [] for _ in range(num_simulations)       # データのブートストラップサンプリング     nurse_sample = np.random.choice(nurse_care_time, size=len(nurse_care_time), replace=True)     patient_sample = np.random.choice(p...

例題 ある病院で働く看護師の排泄ケアにかかる時間を調査分析

例題 ある病院で働く看護師の排泄ケアにかかる時間を調査し、以下の 10 人の看護師のデータ 28,32,25,30,35,28,29,31,27,33 を得ました。 このデータを用いて、母標準偏差の 95% 信頼区間を一般的な方法で解く Python コードを示し計算結果を解釈してください。   母標準偏差の 95% 信頼区間を一般的な方法で求めるために、通常の t 分布を用いて計算します。以下は Python コードの例です。 import numpy as np from scipy import stats # データセット data = np.array([28, 32, 25, 30, 35, 28, 29, 31, 27, 33]) # 平均と標準偏差の計算 mean = np.mean(data) std_dev = np.std(data, ddof=1)   # 不偏標準偏差 # 標準誤差の計算 std_error = std_dev / np.sqrt(len(data)) # 95% 信頼区間の計算 confidence_interval = stats.t.interval(0.95, len(data) - 1, loc=mean, scale=std_error) # 結果の表示 print(" 母標準偏差の 95% 信頼区間= ", confidence_interval) 出力結果 母標準偏差の 95% 信頼区間= (27.645995537089288, 31.954004462910714)   このコードでは、平均、不偏標準偏差、標準誤差を計算し、 stats.t.interval を使用して t 分布に基づく 95% 信頼区間を求めています。 計算結果の解釈すると、結果が (27.645, 31.954) となり、母標準偏差は 95% の確率で 27.645 から 31.954 の間に存在すると推定されます。この信頼区間は、標本から導出された統計量に基づいて母集団のパラメータを推定するための不確実性を示しています。   なお、ブートストラップ法と一般的な統計的手法(例  t 検定や信頼区間...