例題 前回と同一問題を非パラメトリック検定で解く
例題
前回と同一問題を非パラメトリック検定などを用いたPythonコードを示し、結果を解釈してください。
非パラメトリック検定としては、ウィルコクソン符号順位検定(Wilcoxon
signed-rank test)が対応のあるサンプルの比較に使用されます。以下は、Pythonでのコードの例です。
from
scipy.stats import wilcoxon
#
データセット
before_training
= [28, 32, 25, 30, 35, 28, 29, 31, 27, 33]
after_training
= [24, 30, 22, 28, 31, 26, 27, 29, 23, 32]
#
ウィルコクソン符号順位検定を実行
statistic,
p_value = wilcoxon(before_training, after_training)
#
結果の表示
print("ウィルコクソン符号順位検定")
print("統計量=", statistic)
print("p値=", p_value)
出力結果
ウィルコクソン符号順位検定
統計量= 0.0
p値= 0.001953125
計算結果の解釈として、p値が有意水準(通常は0.05)よりも小さい場合、帰無仮説「トレーニングプログラムの導入前後で変化がない」を棄却し、データには統計的に有意な変化があると結論できます。p値が有意水準よりも大きい場合は帰無仮説を棄却できないため、データに有意な変化があるとは言えません。
出力結果を確認すると、統計量が0.0ということは、標本間の中央値の差が0であることを示しています。つまり、2つの標本間には中央値の差がほとんどない、または全くないということです。また、p値が0.001953125ということは、この差が無作為ではないことを示しています。具体的には、このp値は統計的に有意であり、差が無作為ではなく、実際に存在することを示唆しています。したがって、この結果から、サンプルデータ間には統計的に有意な差があることが示されています。
非パラメトリック検定はデータの正規性に依存せず、順位のみを用いて検定を行うため、データが正規分布に従わない場合にも利用できます。