例題 対応のない場合の母比率の差の検定
例題
対応のない場合の母比率の差の検定
ある病院では、新しい排泄ケアトレーニングプログラムが導入され、その結果として看護師の排泄ケア満足度が向上したかどうかを調査します。新プログラムを受けた看護師群と受けていない看護師群について、満足度に関するデータがあります。
新プログラムを受けた看護師
•満足した 25人
•満足しなかった 15人
未プログラムの看護師
•満足した 18人
•満足しなかった 22人
対応のない場合の母比率の差の検定には、独立2群の比率の差の検定を使用できます。以下はその手順とPythonコードの例です。
帰無仮説(H0)
新プログラムを受けた看護師の満足度と未プログラムの看護師の満足度には差がない(母比率の差はゼロである)
対立仮説(H1)
新プログラムを受けた看護師の満足度と未プログラムの看護師の満足度には差がある(母比率の差はゼロでない)
import
statsmodels.api as sm
import
numpy as np
#
データ
satisfied_new_program
= 25
unsatisfied_new_program
= 15
satisfied_old_program
= 18
unsatisfied_old_program
= 22
#
各群の観測数
n1
= satisfied_new_program + unsatisfied_new_program
n2
= satisfied_old_program + unsatisfied_old_program
#
各群の成功数
x1
= satisfied_new_program
x2
= satisfied_old_program
#
母比率の差の検定
z,
p_value = sm.stats.proportions_ztest([x1, x2], [n1, n2])
#
結果の表示
print(f"Z値 {z}")
print(f"P値 {p_value}")
#
有意水準 0.05 で帰無仮説を棄却できるか判定
alpha
= 0.05
if
p_value < alpha
print("帰無仮説を棄却します。新プログラムを受けた看護師の満足度と未プログラムの看護師の満足度には差がある可能性があります。")
else
print("帰無仮説を棄却できません。新プログラムを受けた看護師の満足度と未プログラムの看護師の満足度には差がない可能性があります。")
出力結果
Z値
1.5696685025970465
P値
0.11649225257988612
帰無仮説を棄却できません。新プログラムを受けた看護師の満足度と未プログラムの看護師の満足度には差がない可能性があります。
このコードでは、statsmodels ライブラリの proportions_ztest 関数を使用しています。得られたZ値とP値を基に、帰無仮説を棄却できるかどうかを判断します。
結果から、新プログラムを受けた看護師群と受けていない看護師群の排泄ケア満足度の母比率に有意な差があるとは結論できずに、新プログラム導入に伴って満足度に変化がある可能性は低いと考えらると結論図けてよいか?
結果から、新プログラムを受けた看護師群と受けていない看護師群の排泄ケア満足度の母比率に有意な差がないと結論でき、新プログラム導入に伴って満足度に変化がある可能性は低いと考えられます。ただし、統計的な結果はあくまでサンプルからの推定であり、母集団全体に対する確定的な結論ではありません。そのため、結果を解釈する際には注意が必要です。