第3要因が共通原因(交絡因子)で発生した排泄ケアに関する誤謬例

7.      3要因が共通原因(交絡因子)で発生した排泄ケアに関する誤謬例

誤謬例1ある研究が、トイレットペーパーの消費量と下着の販売額に強い相関関係があることを示しています。つまり、トイレットペーパーの消費量が多い地域では、下着の販売額も高くなるという結果が得られました。

解説:この場合、トイレットペーパーの消費量と下着の販売額の間に直接の因果関係はありません。しかし、この相関関係は、第3の要因である経済的繁栄という交絡因子によって説明される可能性があります。経済的繁栄がある地域では、人々の生活水準が高くなり、トイレットペーパーの消費量と下着の販売額が共に増加する傾向があるかもしれません。したがって、トイレットペーパーの消費量と下着の販売額の間の相関関係は、交絡因子である経済的繁栄によって説明される可能性があります。

 

誤謬例2.ある研究が、排泄ケア製品の使用量と高齢者の下痢発生率の間に強い相関関係があることを示しています。つまり、排泄ケア製品の使用量が多い地域ほど、高齢者の下痢発生率が低いという結果が得られました。

解説:実際には、排泄ケア製品の使用量が多い地域ほど、高齢者の下痢発生率が低いという直接の因果関係はないかもしれません。このような結果は、第3の要因である衛生環境が良好な地域では、排泄ケア製品の使用量が多く、同時に高齢者の下痢発生率が低い傾向がある可能性があります。つまり、衛生環境が良好な地域では、排泄ケア製品の使用量が多いだけでなく、高齢者の下痢発生率も低い傾向があるため、両者の間に相関関係が見られることになります。しかし、実際には衛生環境が良好な地域であるという交絡因子が存在し、この交絡因子によって排泄ケア製品の使用量と高齢者の下痢発生率の間に擬似相関が生じている可能性があります。

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