合流点バイアス(選択バイアス)で発生した排泄ケアに関する誤謬例
8. 合流点バイアス(選択バイアス)で発生した排泄ケアに関する誤謬例
誤謬例1.ある研究が、高齢者施設における尿失禁の有病率とお茶の飲用量の間に強い相関関係があることを示しています。つまり、お茶をたくさん飲む人ほど尿失禁の有病率が高いという結果が得られました。
解説:この場合、お茶の飲用量と尿失禁の有病率の間には直接の因果関係はありません。しかし、高齢者施設では、利用者の多くがお茶を好んで飲む傾向があるかもしれません。そのため、尿失禁の有病率とお茶の飲用量の間に相関関係が見られるものの、お茶の飲用量が尿失禁の原因であるとは必ずしも言えません。このような結果は、合流点バイアス(選択バイアス)によって生じる可能性があります。
誤謬例2.ある研究が、特定の排泄ケア製品を使用している人々と、その製品の使用期間と尿失禁の改善率の間に関連があるかどうかを調査しました。しかし、調査対象の参加者は、製品の効果についてポジティブな意見を持っている人々に限定されていました。その結果、製品を長期間使用している人々の尿失禁の改善率が高いという結果が得られました。
解説:この結果は、合流点バイアス(選択バイアス)によって生じたものです。調査対象が製品の効果についてポジティブな意見を持っている人々に限定されていたため、製品を長期間使用している人々の尿失禁の改善率が高いという結果が得られたのです。実際には、製品の使用期間と尿失禁の改善率の間に直接の因果関係があるとは限りません。選択バイアスによって、調査対象の特定のグループに偏った結果が得られ、擬似相関が生じたと考えられます。