偶然の一致で擬似相関が発生するケースの誤謬
4.
偶然の一致で擬似相関が発生するケースの誤謬
①
海賊が減るにつれて、地球温暖化が大きな問題となってきた。したがって、海賊の減少は、地球温暖化の原因である。
②
大気のCO2レベルと犯罪レベルは同時に増大してきた。したがって、大気中のCO2増加が犯罪増加の原因である。
③
2010年のサッカーW杯で8試合すべての結果を的中させて話題になった予言ダコ。8試合すべての結果を的中させる確率は、コインを8回投げてすべて表になる確率と同じで256分の1、0.4%です。かなり低い確率ですが、ロトを当てる確率はこれよりも20万倍ほど低く、4500万回に1回です。ロトに必ず当選者がいるように、どんなものであっても、調べる対象や回数を増やせば何らかの結果に行き当たります。
④
偶然の相関関係は、一見関係のなさそうなもの同士の間でしばしば見つかります。たとえば、「1年間でプールで溺れる人の数」は「ニコラス・ケイジ主演映画の公開本数」とほぼ相関します。「アメリカにおけるチーズ消費量の増減」も、「ベッドシーツに絡まって死亡する人の増減」と恐ろしいほど一致します。
5.
両者が原因同士の関係で発生するケースの誤謬
⑤
気体は、昇圧するにつれて昇温する。したがって、圧力によって温度が高くなる。(理想気体の状態方程式を基に考えると、体積あたりの物質量が変わらない限り、圧力と温度は比例し、一方の上昇がもう一方の上昇を含意する)