MCI(軽度認知障害)から『生活機能として』復帰することを目的にしたAI利用

 ここでは

👉 MCI(軽度認知障害)から『生活機能として』復帰すること

を目的にしたAI利用を、思想・臨床・運用の3層で整理します。


結論(最初に押さえるべきこと)

MCIからの復帰は「記憶を戻す」ことではありません。

復帰とは

① 判断が必要な場面を減らし
② 認知負荷を下げ
③ 生活を“自動運転”に戻す

ことです。
AIは脳の代わりになるのではなく、脳の負荷を引き受ける存在になります。


1. MCIは「可逆」ではなく「可調整」

まず現場的な現実認識。

  • MCIは

    • 良くなったり

    • 横ばいだったり

    • 認知症へ進行したり

  • 単線ではない

👉 だからAIの役割は
診断を当てることではなく、軌道修正を早くすること


2. MCIからの「復帰」とは何か(定義)

復帰の定義(生活機能ベース)

  • 日常生活が
    「考えなくても回る」割合が増える

  • 失敗しても
    致命傷にならない構造がある

  • 周囲が
    過剰に心配しなくて済む

👉 検査点数より、生活の摩擦係数


3. AIが担う3つの核心機能


① 認知負荷の可視化(本人にも分かる形で)

MCIの最大の敵は
「自分は大丈夫」という誤認

AIの役割

  • ミス頻度

  • 迷い時間

  • 再確認行動

  • 記録の言語変化

👉 これを
評価ではなく「傾向」として提示

「最近、午前中に確認が増えています」

👉 自尊心を壊さず気づかせる


② 日常判断の「外部化」

MCIで一番疲れるのは
小さな判断の連続

AIが引き受ける判断

  • 服薬タイミング

  • 支払い期限

  • 予定の優先順位

  • 外出時の持ち物

👉 覚える → 見る → 従うに変える。


③ 生活リズムの再同期

MCIは
睡眠・運動・食事の乱れで一気に悪化します。

AIは

  • 睡眠ログ

  • 歩行量

  • 食事タイミング

から
👉 「ズレ始め」を検知

早期に

  • 声かけ

  • 予定調整

  • 休息提案

を入れる。


4. 医療・介護とつながるAI利用(重要)

医療側への価値

  • 認知機能検査の前後変化

  • 生活での失敗ログ

  • 主観と客観のズレ

👉 診察が「点」から「線」になる


介護・支援側への価値

  • 「まだ一人で大丈夫か」

  • 「どこが危ないか」

  • 「何を手放すべきか」

👉 早すぎない支援介入が可能。


5. やってはいけないAI活用(MCI編)

❌「監視」になる設計

  • 常時評価

  • 点数化

  • 比較表示

👉 本人の尊厳を壊す


❌ 認知訓練ゲームだけに寄る

👉 生活が変わらなければ意味がない。


❌ 家族向けダッシュボードだけ充実

👉 本人が蚊帳の外になると失敗する。


6. MCIから「復帰できた」ケースの共通点(現場感)

  • 本人が
    「工夫すれば続けられる」と感じている

  • AIが
    黒子に徹している

  • 周囲が
    先回りしすぎない

👉 AIは目立たないほど成功


7. MCI × AI × 社会復帰(就労・役割)

ここが未来です。

  • スケジュール支援

  • 判断補助

  • 失敗防止アラート

👉 「能力が落ちたから降りる」ではなく「支え方を変えて続ける」


8. まとめ(思想)

MCIは「取り戻す段階」ではない。
「手放し方を学ぶ段階」です。

AIは

  • 失われた機能を誇張せず

  • 残っている力を最大化し

  • 生活を静かに支える

そのための
最も人間的なテクノロジーになり得ます。

このブログの人気の投稿

片貝の四尺玉は世界一を連呼する『片貝賛歌~希望の花~』を作詞・作曲しました!!

論文 排泄ケアにおける尊厳の保持と社会システムの課題 ~「おむつ」をめぐる心理的・文化的考察~

解説 羞恥心や抵抗感が強く、失禁がある方に、オムツや尿取りパッドを勧める方法