例題 排泄ケアの介入が患者の排泄成功率に影響を与えるかどうかを調査
排泄ケアの介入が患者の排泄時間に影響を与えるかどうかを調査する場合、以下のような背景と研究仮説を考えることができます。
背景としては、排泄ケアは患者の生活の重要な部分であり、その質や方法は患者の快適さや健康に影響を与える可能性があります。排泄時間は、患者が介入を受けた際の具体的な変化の一例です。介入が効果的であれば、排泄時間が短縮されるかもしれません。この仮説を検証することは、患者の生活の質を向上させるために重要です。
研究仮説としては、「新しい排泄ケアの介入が患者の排泄時間に有意な影響を与えるかどうか」に関する研究仮説を以下に示します。
帰無仮説 (H0)
新しい排泄ケアの介入は患者の排泄時間に影響を与えない(新しい介入と既存の介入は同じ効果がある)。
対立仮説 (H1)
新しい排泄ケアの介入は患者の排泄時間に有意な影響を与える(新しい介入と既存の介入は異なる効果がある)。
方法
標本選定として、ランダムに選ばれた患者を対象に、新しい排泄ケアの介入を行ったA群と既存の介入を行ったB群の2つの標本を用意する。
データ収集には、各患者の排泄時間を記録する。
データ解析としては、2標本コルモゴロフ・スミルノフ検定を使用して、A群とB群の排泄時間分布の差異を検定する。
結果の解釈としては、検定結果に基づいて帰無仮説を採択または棄却し、新しい排泄ケアの介入が排泄時間に有意な影響を与えるかどうかを判断する。
この研究デザインを通じて、排泄ケア介入が患者の排泄時間に影響を与える可能性を検証し、介入の効果を客観的に評価することができます。
例題
排泄ケアの介入が患者の排泄成功率に影響を与えるかどうかを調査するための具体的な仮想データと独立性の検定の例題です。
データとしては、A群とB群の患者の成功した数と失敗した数を生成しています。
A群(新しい介入あり) 成功した患者数は、20から40の間のランダムな整数で生成され、残りの患者数から計算されます。つまり、成功した患者数が生成された後、失敗した患者数は30から成功した患者数を引いて算出されます。
B群(現行の介入のみ) 成功した患者数も20から40の間のランダムな整数で生成されますが、A群とは異なり、成功した患者数が生成された後、残りの患者数から計算されます。
import
numpy as np
from
scipy.stats import chi2_contingency
#
仮想的なデータ生成
np.random.seed(42)
#
A群(新しい介入あり) 成功した患者数と失敗した患者数
group_a_success
= np.random.randint(20, 31) # 下限を20、上限を30に設定
group_a_failure
= 30 - group_a_success
#
B群(現行の介入のみ) 成功した患者数と失敗した患者数
group_b_success
= np.random.randint(15, 31) # 下限を15、上限を30に設定
group_b_failure
= 30 - group_b_success
#
データ表の作成
data
= np.array([[group_a_success, group_a_failure], [group_b_success,
group_b_failure]])
#
独立性の検定(カイ二乗検定)
chi2_stat,
p_value, dof, expected = chi2_contingency(data)
#
結果の表示
print("カイ二乗統計量 ", chi2_stat)
print("p値 ", p_value)
#
有意水準を設定
alpha
= 0.05
#
p値の有意水準との比較
if
p_value < alpha
print("帰無仮説を棄却 介入が排泄成功率に有意な影響を与えている可能性があります。")
else
print("帰無仮説を採択 介入が排泄成功率に有意な影響を与えているとは言えません。")
出力結果
カイ二乗統計量 4.176136363636363
p値
0.04099706113290004
帰無仮説を棄却 介入が排泄成功率に有意な影響を与えている可能性があります。
この例では、群A(新しい介入あり)と群B(現行の介入のみ)の患者の排泄成功または失敗の割合を表す2x2のデータ表を作成し、カイ二乗検定を用いて介入が排泄成功率に有意な影響を与えるかどうかを検定しています。P値<0.05ですので、帰無仮説を棄却し、「介入が排泄成功率に有意な影響を与えている可能性があります。」というものです。