排泄ケアの仮想データを作成し適合度の検定に関する例

例題

適合度の検定はカイ二乗検定の一つで、度数分布(単純集計表)の各度数の同等性や度数分布の正規性を統計的に判定する方法について、排泄ケアの仮想データを作成し適合度の検定に関する例題です。

次のデータは、2つの群(A群とB群)における患者の排泄状態に関する観測度数です。

 

A群(新しい介入あり)の患者の排泄状態に関する観測度数は、良好な状態が20人、普通な状態が25人、悪い状態が5人です。

B群(現行の介入のみ)の患者の排泄状態に関する観測度数は、良好な状態が15人、普通な状態が30人、悪い状態が10人です。

このデータを使用して、A群とB群の間で排泄状態に有意な差があるかどうかを調査することができます。たとえば、カイ二乗検定を実行することで、A群とB群の間で排泄状態に統計的に有意な差があるかどうかを検証することができます。  

 

以下は、与えられた観測度数を使用してカイ二乗検定を行うPythonコードです。

適合度の検定を例示するために、排泄ケアの介入が患者の異なる排泄状態に与える影響を検証するケースを考えましょう。以下は、適合度の検定(カイ二乗検定)の例です。

 

import numpy as np

from scipy.stats import chi2_contingency

# 仮想的なデータ生成

np.random.seed(42)

# A群(新しい介入あり)  患者の排泄状態(良好、普通、悪い)に関する観測度数

group_a_counts = [20, 25, 5]

# B群(現行の介入のみ)  患者の排泄状態(良好、普通、悪い)に関する観測度数

group_b_counts = [15, 30, 10]

# データ表の作成

observed_data = np.array([group_a_counts, group_b_counts])

# 独立性の検定(カイ二乗検定)

chi2_stat, p_value, dof, expected = chi2_contingency(observed_data)

# 結果の表示

print("カイ二乗統計量 ", chi2_stat)

print("p値 ", p_value)

# 有意水準を設定

alpha = 0.05

# p値の有意水準との比較

if p_value < alpha 

    print("帰無仮説を棄却  介入が患者の排泄状態に有意な影響を与えている可能性があります。")

else 

    print("帰無仮説を採択  介入が患者の排泄状態に有意な影響を与えているとは言えません。")

出力結果

カイ二乗統計量  2.6033057851239665

p値  0.2720816993411347

帰無仮説を採択  介入が患者の排泄状態に有意な影響を与えているとは言えません。

 

この例では、A群(新しい介入あり)とB群(現行の介入のみ)の患者の排泄状態に関する観測度数を示すデータを用いて、適合度の検定を行っています。帰無仮説は、「介入が患者の排泄状態に影響を与えない」というものです。帰無仮説を棄却する場合、介入が患者の排泄状態に影響を与えている可能性があります。

 

この例題の前提条件である「適合度の検定を例示するために、排泄ケアの介入が患者の異なる排泄状態に与える影響を検証するケース」について、さらに、前提条件である「排泄ケアの介入が患者の異なる排泄状態に与える影響を検証するケース」について、もう少し詳しく説明いたします。

 

背景としては、排泄ケアの介入は、患者の排泄状態に潜在的な影響を与える可能性があります。例えば、新しい介入が導入されることで、患者の排泄状態が良好に改善するか、逆に悪化するかもしれません。排泄状態は患者の健康や生活の質に直接関わるため、介入が有意な影響を与えるかどうかを調査することは重要です。

 

研究仮説としては、「新しい排泄ケアの介入が患者の排泄状態に与える影響があるかどうか」に関する研究仮説を以下に示します。

 

帰無仮説 (H0)  新しい排泄ケアの介入は患者の排泄状態に影響を与えない(新しい介入と既存の介入は同じ効果がある)。

対立仮説 (H1)  新しい排泄ケアの介入は患者の排泄状態に有意な影響を与える(新しい介入と既存の介入は異なる効果がある)。

 

標本選定方法は、ランダムに選ばれた患者を対象に、新しい排泄ケアの介入を行ったA群と既存の介入を行ったB群の2つの標本を用意する。

 

データ収集には、各患者の排泄状態を記録する。例えば、良好、普通、悪いの3つのカテゴリで表現する。

 

データ整理については、それぞれの群において、各排泄状態の人数を集計し、観測度数のデータ表を作成する。

 

適合度の検定は、カイ二乗検定を使用して、観測度数が期待度数と異なるかどうかを検定する。

 

結果の解釈について、検定結果に基づいて帰無仮説を採択または棄却し、新しい排泄ケアの介入が排泄状態に有意な影響を与えるかどうかを判断する。

 

この研究デザインを通じて、新しい排泄ケアの介入が患者の排泄状態に与える影響を客観的に評価し、介入の有用性を判断することが可能です。


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