5.排尿のトラブル
5.排尿のトラブル
年齢を重ねるにつれて、身体機能が低下し、排尿が困難になることがあります。排尿障害には大きく分けて、頻尿、尿失禁、排尿困難の3種類があります。頻尿と尿失禁は蓄積障害と見なされますが、排尿障害は排出障害と見なされます。それぞれの病気の症状、原因、治療法について説明します。
1).頻尿の定義
頻尿は、人があまりにも頻繁に排尿する必要があると感じた場合です。一般的に、頻尿とは、1日に8回以上トイレに行くことと定義されています。
通常、頻尿は生命を脅かすものではありませんが、以前はできていたことができなくなってしまった等の悩みがある場合は、注意と治療が必要です。セルフケアは重要ですが、治療が必要な場合もありますので、問題を抱えている人は医療機関の受診を勧めます。
① 習慣的な頻尿
習慣性頻尿とは、強い尿意を感じなくても、膀胱がいっぱいになる前にトイレに行くことで、排尿回数が増えている状態です。こまめにトイレに行くなど、尿意がない状態や少し尿意がある状態で排尿するので、排尿回数が増えてしまうことが原因です。
② 水分摂取過多による多尿で頻尿
水を飲みすぎて、頻繁に尿意を感じたり、一度に大量の尿を排出したりする人もいます。水を過剰に飲んでも、必ずしも血液がサラサラになったり、見た目が良くなったりするわけではありません。水分の摂取量は体重によって異なり、余分な水分は尿として排泄されます。1日の水分摂取量は体重の2~2.5%、24時間の尿量は体重1kgあたり約20~25㎖ にする必要があります。
③ 過活動膀胱
過活動膀胱は、強い尿意があり、尿を我慢するのが困難な場合に起こります。これにより、頻繁に排尿する可能性があります。特に男性の場合には前立腺に問題がある可能性があります。治療の選択肢は、他の基礎疾患を除外した後に決定されます。
④不完全尿閉による頻尿
不完全尿閉とは、排尿直後に再び排尿する必要があると感じる状態です。これは、膀胱に尿が残っていることが原因である可能性があります。
治療せずに放置すると、腎機能に悪影響を及ぼす可能性があります。治療の選択肢には、薬物療法と膀胱から残りの尿を排出する処置が含まれます。この状態については、医師の診察を受けることが重要です。
④ 夜間頻尿
夜間頻尿とは、日中は問題がないにもかかわらず、夜間に何度も排尿する必要があることを指します。これは、ベッドに入ってから起きて出るまでの排尿回数によって測定されます。ただし、食事や入浴を終えて就寝し、本を読んだりテレビを見たりしてから就寝する場合は、測定に含まれません。70歳以上の人の約20~30%が3回以上の夜間排尿を経験しています。夜間頻尿によって生活の質が影響を受けている場合は、専門医療機関の受診を勧めます。夜間頻尿は、膀胱貯留障害、多尿、夜間多尿、および睡眠の問題によって引き起こされる可能性があります。排尿の回数や量を記録する「排尿日誌」で原因を特定し、それに応じた治療を行うことが重要です。膀胱貯留障害は泌尿器疾患によって引き起こされることが多く、水分摂取量、下肢のむくみ、および高血圧をチェックすることが夜間多尿症に役立ちます。睡眠の質を改善するには、生活習慣の見直しや医師への相談が必要な場合があります。