排便管理に必要な知識 ① 排便管理に必要な知識
排便管理に必要な知識
① 排便管理に必要な知識
排便管理を維持するには、排便の頻度と便の硬さを監視しながら、下剤の摂取量を調整する必要があります。排便が困難な場合は、浣腸、座薬、摘便が必要になることがあります。
② 定期的な排便の重要性
定期的な排便がないと、肛門への食物や消化液の流れが妨げられ、腹部膨満、痛み、吐き気、嘔吐、さらには腸の壊死を引き起こし、生命を脅かす可能性があります。したがって、健康を維持し、便失禁を防ぎ皮膚の問題を回避するには、定期的な排便を促進することが重要です。
③ 便の質を理解する
ブリストル便性状スケールは国際的に認められた便の質の尺度です。1(硬い便)から7(水っぽい便)までの範囲の7点スケールで便の硬さ、形状、およびその他の要因を評価します。正常な便の硬さは3~5の間です。
便秘は、基礎疾患や身体機能の低下、食事や水分の摂取、薬の副作用、ストレスなど、さまざまな要因によって引き起こされます。
便秘はメカニズムによって器質性便秘と機能性便秘に分類できます。器質性便秘は胃や小腸、大腸、肛門などに何らかの基礎疾患があり、それが原因で便秘になっている状態で、器質性便秘は医師の診察が必要となるので注意が必要です。
機能性便秘は自律神経のバランスが崩れ、大腸が機能不全を起こしたことによる便秘です。食生活や生活習慣が原因で起こり、日常生活の改善で便秘も快方に向かうので、排便記録で管理できます。機能性便秘はさらに弛緩性と痙攣性、直腸性の3つに分類されます。
弛緩性便秘は、食物繊維の不足や運動不足、腹筋力の低下が原因で大腸の運動機能が低下して腸の中で長期間、便が滞留することによって起こります。例としては、デスクワークで着席時間が長い場合になりやすく、主に高齢者や事務員、妊婦などに多くみられます。
痙攣性便秘は、大腸の過緊張によりぜんどう運動が強くなり過ぎて腸がけいれんを起こし、便の輸送に障害をきたしている状態です。大腸の働きを調節する自律神経がバランスを崩すことによって起こります。生活上の強いストレスや、ストレス解消が下手な人がなりやすく、若年者やサラリーマンに多くみられます。
直腸性便秘は、便が直腸に到達しても便意を催さず、直腸内に留まってしまうために起こる便秘です。便意を我慢したり、浣腸の乱用で排便リズムが崩れた人に起こります。特に高齢者や寝たきり、不規則な生活の人などによくみられます。便秘の対策として、不溶性食物繊維や水溶性食物繊維などの食物繊維は、腸の蠕動運動を促進し、腸内環境の改善に重要な役割を果たします。海藻、オクラ、サトイモ、果物は、水溶性食物繊維の優れた供給源です。
腸内フローラまたは腸内微生物叢としても知られる腸内細菌は、人間の腸管に生息し、消化器の健康に重要な役割を果たします。バランスの取れた食事を維持し、下剤への依存を避けることは、善玉菌を促進し、消化器系の問題を防ぐのに役立ちます。なお、排便管理表を記録することは、消化器の健康を監視するためのツールにもなりますので、利用をお勧めします。
※下記のアドレスに排便管理表の様式を置いておくので、ダウンロードしてご利用ください。
https://www.sutokukai.or.jp/cssc/about/haisetsu.html