3.排泄の自立に関する考え方

3.排泄の自立に関する考え方 排泄の自立には、機能的自立と社会的自立の 2 つの側面があります。また、両者には「介護あり」と「介護なし」の自立に分類されます。 機能的自立は、個人が自分自身で排泄を行う能力を指します。つまり、トイレに行き、身体的な動作や生理的な機能を維持しながら排泄できることです。具体的には、尿道を開閉し膀胱に尿を溜めたり、大便を直腸に留め置いたりする機能が必要です。また、トイレでの脚力や座る体幹保持力も重要です。機能的自立を向上させるためには、手摺にしがみついてでも 30 秒ほど起立できれば、介助によりパンツの上げ下ろしができるようになり、背もたれがない状態で 10 分座れればポータブルトイレで用を足せるようになります。トイレまでは車椅子でも移動できます。 一方、社会的自立は、個人が日常生活で自立して活動し、社会的な関わりを持ちながら生活できることを指します。これには、トイレに行くことや排泄物の処理を自分で管理する能力が必要です。個人が自らの排泄を行う能力に制限がある場合でも、介護者のサポートや適切な支援によって一部の自立が回復することもあります。介護の有無に関わらず、個人の能力や状態に合わせた段階的な目標設定とトレーニングを通じて、排泄の自立を向上させることができます。 要するに、排泄の自立には機能的自立と社会的自立の 2 つの側面があります。機能的自立は身体的な能力に焦点を当て、排泄の技術と関連します。一方、社会的自立は日常生活や社会活動における自己管理能力に関連します。介護や介助の支援を受けながらも、個人の可能な範囲での自立を促すことが重要です。適切なサポートと個別のケアを提供することによって、排泄の自立を最大限に引き出すことができます。