5.加齢と腎機能の関係について
5.加齢と腎機能の関係について
排泄とは、体が腎臓や泌尿器系を介して、尿素や過剰な塩分などの代謝からの老廃物を排除するプロセスです。加齢に伴い、糸球体や尿細管の構造変化、毛細血管の動脈硬化などにより、腎臓の機能が徐々に低下することがあります。腎臓には損傷を補う予備力がありますが、損傷が進むとろ過能力や尿を濃縮する能力が低下し、高齢者では多尿や頻尿などの症状が現れることがあります。
※頻尿とは?
「尿が近い、尿の回数が多い」という症状を頻尿といいます。一般的には、朝起きてから就寝までの排尿回数が8回以上の場合を頻尿といいます。また、夜間頻尿とは、夜眠っている間に排尿のために1回以上起きなければならない状態を指します。
※ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群は、腎臓の糸球体に影響を与える疾患で、尿中に大量のタンパク質が排泄されます。ネフローゼ症候群の4つの主な症状は、タンパク尿 (尿中のタンパク)、低タンパク血症 (血液中のタンパク濃度の低下)、浮腫 (腫れ)、脂質異常症 (異常な脂質レベル) です。
以前は、ネフローゼ症候群の人はタンパク質制限食を厳守する必要がありましたが、現在は副作用の懸念から制限が緩和されています。ネフローゼ症候群のときにタンパク質の摂取を制限する理由は、タンパク質が腎臓から急速に排泄され、体内のタンパク質が不足する可能性があるためです。これを補うために、肝臓はより多くのタンパク質を作ろうとするため、脂肪が生成され、アンモニアの分解が遅れます。しかし、最近の研究で、厳格なタンパク質制限が悪影響を与える可能性があることが示されているため、制限が緩和されています。