4.尿量に影響する要因
4.尿量に影響する要因
私たちが食べたり飲んだりすることで消費したり排泄したりする水の量は、一定の平衡を保つためにバランスが取れています。水分摂取量が減少すると、血液循環量が減少し、尿排泄量が減少します。同様に、発汗、下痢、嘔吐、大量出血、熱傷などの他の排泄プロセスが増加すると、血液循環の低下により尿排泄量も減少します。逆に水分摂取量が増えると、血行が良くなるため尿量も増えます。
脳障害、腎障害、代謝障害、心臓障害、およびその他の状態も尿量に影響を与える可能性があります。脳腫瘍や頭部外傷により脳下垂体後葉が損傷すると、抗利尿ホルモンの分泌が抑制され、尿の濃度が低下し、尿量が増加することがあります。
腎臓のネフロンが部分的に破壊されて起こる急性腎不全では、一時的に尿量が減少しますが、機能しているネフロンの数に応じて、残りのネフロンの代償機能により最終的に尿量が回復します。
糖尿病などの代謝障害も尿量を増加させる可能性があります。血液中のブドウ糖レベルが高いと、尿細管の浸透圧が上昇し、ナトリウムと水の再吸収が抑制され、尿量が増加します。
心不全により心機能が低下したり、失血量が多い場合、腎臓の血流が減少し、尿量が減少します。また、前立腺肥大症や腫瘍、結石などで尿道が狭くなると、一度に排泄される尿の量が減り、頻尿になります。病状が進行すると、尿道が詰まり、尿が出なくなることがあります。
※前立腺肥大症とは?
前立腺肥大症とは、前立腺が肥大して膀胱の出口が収縮し、尿路を圧迫して排尿が困難になる状態です。この状態は、アンドロゲン(男性ホルモン)とエストロゲン(女性ホルモン)の間の不均衡によって引き起こされます。