記述式ケース問題45 82歳男性、コミュニケーション35歳男性、身体障害により車いすを利用している。排泄に関しては完全介助が必要でありは可能だが、身体的な動きが制限されている。
症例45
- 患者情報 82歳男性、コミュニケーション35歳男性、身体障害により車いすを利用している。排泄に関しては完全介助が必要でありは可能だが、身体的な動きが制限されている。家庭内での生活を快適にするための支援計画が求められている。
質問
この患者に対して、経過観察を行いながら排泄ケアの支援計画書を作成してください。以下の点を含めてください。
- 初回から短期的および長期的な目標を設定してください。
- 在宅介護者と当事者の今後が見通せるようなアドバイス内容を示してください。
- 社会資源を有効活用するための提案をしてください。
- SWOT分析とクロスSWOT分析を行い、支援計画を策定してください。
- BSC(バランススコアカード)とKPI(重要業績評価指標)を用いて進捗状況を求める形式でまとめてください。
解答例
1.
短期的目標 (1〜3ヶ月)
- 目標1 患者が車いすからトイレへの移動をスムーズに行えるようにする。
- 目標2 介護者が排泄ケアの基本的な技術を習得し、自信を持ってサポートできるようにする。
- 目標3 トイレ環境を患者が快適に使用できるように整備する。
2.
長期的目標 (6ヶ月〜1年)
- 目標1 患者が排泄のタイミングを理解し、介護者にその旨を伝えられるようになる。
- 目標2 介護者が排泄ケアの手順を自立して実施できるようになる。
- 目標3 地域の支援サービスを活用し、定期的な訪問介護を受けられる体制を整える。
3.
アドバイス内容
- 介護者へのアドバイス
- 「患者がトイレに行きたがるサインを見逃さないように、日常的にコミュニケーションを図りましょう。トイレの環境を整え、患者が安心して利用できるようにすることが大切です。」
- 当事者へのアドバイス
- 「トイレに行きたいときは、声を出すか手を挙げて教えてください。私たちはあなたをサポートしますので、安心して伝えてください。」
4.
社会資源の有効活用
- 地域の障害者支援センターや訪問介護サービスを利用し、専門家のアドバイスを受ける。
- 車いす利用者向けの生活支援グループに参加し、他の利用者や介護者との情報交換を行う。
SWOT分析
Strengths
(強み) |
Weaknesses
(弱み) |
-
介護者の理解が深い |
-
身体的な制限による自立の困難 |
-
患者がコミュニケーション可能 |
-
日常生活の不安定さ |
Opportunities
(機会) |
Threats
(脅威) |
-
地域の福祉資源が豊富 |
-
介護者の疲弊 |
-
支援プログラムの存在 |
-
環境の変化によるストレス |
クロスSWOT分析
強み (S) |
機会 (O) |
S-O戦略 |
-
介護者の理解 |
-
福祉資源 |
福祉資源を利用して、介護者の理解を深めるプログラムに参加する。 |
-
コミュニケーション能力 |
-
支援プログラム |
地域の支援プログラムに参加し、知識と技術を向上させる。 |
弱み (W) |
脅威 (T) |
W-T戦略 |
-
身体的な制限 |
-
介護者の疲弊 |
定期的に専門家の支援を受け、介護者の負担を軽減する。 |
-
日常生活の不安定さ |
-
環境の変化 |
環境整備を行い、患者が安心できるような居住空間を提供する。 |
BSC(バランススコアカード)とKPI
視点 |
目標 |
指標 |
KPI |
進捗状況 |
次のアクション |
顧客 |
患者の排泄の自立 |
自発的な排泄行為の回数 |
回数 (目標 週2回) |
週1回 |
トイレへの移動の支援を強化する。 |
財務 |
コスト効率の良い介護 |
福祉資源の利用率 |
利用率 (目標 80%) |
65% |
新たな支援資源の調査を進める。 |
内部プロセス |
排泄ケアの質向上 |
介護者の満足度 |
満足度 (目標 高い) |
中程度 |
定期的な評価とフィードバックを実施。 |
学習・成長 |
介護者のスキル向上 |
研修参加率 |
参加率 (目標 75%) |
50% |
次回研修の日程を決定。 |
解説
この支援計画を通じて、短期的および長期的な目標を明確にし、介護者と当事者が共に成長していく姿を見えるようにすることが重要です。社会資源を有効活用し、SWOT分析を通じて強みを最大限に活かし、課題に取り組むことで、より良い排泄ケアを実現していくことが可能です。