5.ネコに腎不全が多いのはなぜ?
5 . ネコに腎不全が多いのはなぜ? ① 栄養障害 ② 過剰摂取 ③ ネズミの接種 ④ 一部の血中たんぱく質の欠如 正解は④一部の血中たんぱく質の欠如です。 急性腎障害発症時に腎機能の回復に寄与する血中タンパク質「 AIM 」がネコでは尿中に移行しないためネコは他の動物に比べて、腎不全で亡くなる割合が高いと言われています。多くの場合、 5 ~ 6 歳頃に尿管結石や腎炎などで急性腎障害を発症し、腎機能が完全に回復しないまま慢性腎不全となって 15 歳前後で亡くなるようです。東京大学の研究グループは、この要因の 1 つが、 AIM ( apoptosis inhibitor of macrophage )という血中タンパク質の機能不全であることを明らかにしました。 AIM は、急性腎障害で腎機能が低下すると血中から尿中に移行し、尿細管腔内の死細胞塊の除去による管腔閉塞の解消に重要な役割を果たすことで腎機能の回復に寄与しているそうです。しかし、ネコの場合は急性腎障害が起きても AIM が血中から尿中に移行せず、その機能を果たさないのだとか。 AIM が尿中に移行しさえすれば、尿細管腔の閉塞を解消する機構はネコにも備わっていると考えられるため、 AIM 製剤によってネコの腎不全を予防・治療できるようになるのではないかと期待されています。