記述式ケース問題19 85歳・男性、心疾患と糖尿病、夜間頻尿

排泄ケア相談員・シニアコース・記述式問題

⇒※排泄ケア相談員については、家庭の排泄ケア相談所のWEBを参照ください。 https://www.sutokukai.or.jp/cssc/about/haisetsu.html

ケース19  利用者Z85歳・男性)

利用者Zは、心疾患と糖尿病を抱え、最近は夜間に頻繁に尿意を感じ、夜中に何度もトイレに行くことが増えています。以下の問題があります

  • 夜間の排尿回数の増加  夜間に頻繁にトイレに行くため、睡眠が中断され、体調に悪影響を及ぼしています。
  • 糖尿病管理の難しさ  糖尿病の影響で血糖値の変動が激しく、夜間に尿量が増加することがあります。
  • 心疾患による体力の低下  心疾患のため、長時間の歩行やトイレに行くことが身体的に負担となっています。

このケースに対して、以下の点についてアドバイスを記述してください。

質問

  1. 夜間の排尿回数の増加に対する対策として、どのような排泄ケアプランを提案しますか?
  2. 糖尿病管理と夜間の排尿の関係について、どのようにケアを調整すべきですか?
  3. 心疾患による体力の低下を考慮して、利用者Zが快適に夜間の排泄ケアを行うための環境調整やサポート方法について、どのような提案が考えられますか?

解答例


1. 夜間の排尿回数の増加に対する対策

  • 夜間排尿スケジュールの見直し
    • 夜間トイレのアクセスの簡素化  夜中のトイレ移動が負担にならないよう、トイレまでの通路に夜間用の明かりを設置し、安全性を確保します。また、トイレまでの移動を楽にするために、手すりを設置することも考えます。
    • 夜間排尿のリズムを見直す  日中に水分摂取を適切に調整し、夕食後の水分摂取を控えめにすることで、夜間の排尿回数を減少させるよう努めます。
  • 医療的介入の検討
    • 利尿剤の調整  医師と相談の上、利尿剤の使用時間や量の調整を検討し、夜間の尿量を管理します。適切な医療サポートを受けることが重要です。

2. 糖尿病管理と夜間の排尿の関係

  • 血糖値のコントロール
    • 食事管理とインスリン調整  利用者Zの食事やインスリンの管理を徹底し、血糖値の変動を抑えることで尿量の増加を抑えるようにします。食事内容や時間を見直し、血糖値の安定を図ります。
  • 尿糖測定の導入
    • 尿糖の測定と管理  尿糖値を定期的に測定し、糖尿病の影響を把握することで、夜間の尿量増加を管理します。必要に応じて、医師に相談し、管理方法の調整を行います。

3. 心疾患による体力の低下を考慮した夜間排泄ケアの提案

  • トイレの環境調整
    • トイレの場所と設備の最適化  トイレを利用者Zが簡単にアクセスできる場所に設置し、必要に応じてバリアフリー化を行います。また、トイレ内に移動をサポートするための手すりや補助具を設置します。
  • 夜間ケアのサポート
    • 夜間の介護スタッフの対応  夜間の排泄ケアをサポートするために、ケアスタッフが定期的に見守りや支援を行うことで、利用者Zが安全にトイレを利用できるようにします。また、スタッフが迅速に対応できるよう、連絡体制を整えます。
  • 睡眠環境の整備
    • 快適な睡眠環境の提供  利用者Zの睡眠環境を改善するため、快適な寝具や温度調整を行い、睡眠の質を向上させることで、夜間の排尿回数の影響を最小限に抑えます。

解説

この解答例では、夜間の排尿回数の増加、糖尿病管理との関係、心疾患による体力低下を考慮した具体的な対応策を提案しています。夜間の排泄ケアにおける環境調整や医療的なサポート、糖尿病管理の重要性について詳細に解説し、利用者Zの生活の質を向上させるための包括的なアプローチを提供しています。

このブログの人気の投稿

排泄ケア相談員の育成に向けて

記述式ケース問題21 83歳・男性、下肢の筋力低下と軽度の認知症、排泄を感じるタイミングに問題

解説 ご町内の高齢者の皆様が知っておくべき備えと対策