解説 おむつの選択方法や入手方法について

⇒※排泄ケア相談員については、家庭の排泄ケア相談所のWEBを参照ください。 https://www.sutokukai.or.jp/cssc/about/haisetsu.html


排泄ケアにおける「おむつの選択方法や入手方法」について

1. おむつの選択方法

おむつの選択には、個々の利用者の状態に合わせた細かな配慮が必要です。以下のポイントに基づいて選ぶことで、利用者にとって快適かつ効果的なケアが行えます。

(1) 失禁の種類と程度を確認

おむつの選択には、失禁の種類(尿失禁、便失禁)やその頻度・量を確認することが重要です。

  • 軽失禁 少量の尿漏れの場合、軽失禁用のパッドやパンツタイプの製品が適しています。これらは軽く、違和感が少ないため、活動性のある方に向いています。
  • 中・重度の失禁 中度から重度の尿失禁や便失禁には、吸収量の多いフルタイプのおむつが必要です。特に、夜間や長時間の利用が必要な場合は、吸収力の高い夜用のおむつが適しています。

(2) おむつのタイプ選択

  • テープタイプ 寝たきりの方や介護者が装着をサポートする場合には、テープタイプのおむつが便利です。テープでしっかりと固定できるため、漏れにくく、交換も容易です。
  • パンツタイプ 歩行ができる方や自分でトイレに行ける方には、パンツタイプのおむつが適しています。普通の下着に近い形状であるため、抵抗感が少なく、動きやすいです。
  • パッド併用タイプ パッドとパンツを併用する方法もあります。軽失禁用のパッドをパンツにセットすることで、漏れを防ぎつつ快適さを維持します。

(3) サイズとフィット感

おむつは、サイズとフィット感が重要です。サイズが合わないと漏れやすくなり、皮膚のかぶれや摩擦を引き起こす可能性があります。おむつのサイズは、ウエストサイズ(パンツ式)ヒップサイズ(テープ式)に合わせて選びましょう。また、体型に合ったものを選ぶことで、ずれにくく漏れにくい状態を保つことができます。

(4) 吸収量

利用者の排泄パターンや失禁の量に応じて、吸収量の違う製品を選びます。軽度の漏れ用から夜間用の多量吸収タイプまで様々な選択肢があります。夜間の使用には吸収量が多い製品を選び、日中は軽量で動きやすいタイプを使うなど、状況に応じて使い分けるのも効果的です。なお、市販のおむつやパッドの包装紙にある「排尿○回分」の表示は、1回量を150mℓとして計算されていますので注意が必要です。

(5) 肌への配慮

おむつによる皮膚トラブル(かぶれ、かゆみ、かぶれなど)を防ぐため、素材も選択の重要なポイントです。通気性の良い素材や、抗菌・消臭機能付きの製品を選ぶことで、肌トラブルのリスクを減らせます。特に皮膚が敏感な方には、肌に優しい素材のものを選びましょう。

(6) 使い勝手と装着の容易さ

介護者が装着する際の利便性や、交換のしやすさも考慮に入れるべきです。テープタイプの場合は、テープの貼り直しができる製品や、装着後のフィット感を確認できるタイプが便利です。


2. おむつの入手方法

おむつは、様々な場所で購入できますが、使い続けるためには定期的な入手が必要です。以下はおむつの入手方法の詳細です。

(1) 店舗での購入

おむつは、ドラッグストア大型スーパーなど、一般的な小売店で購入することが可能です。店舗で購入するメリットは、直接手に取って製品の質感やサイズを確認できることです。また、店員に相談することでおすすめの商品を紹介してもらうこともできます。

(2) インターネット通販

インターネットでの購入は、手軽に多くの選択肢から選べるため、便利です。例えば、Amazon楽天市場などの大手通販サイトでは、多くの種類の介護用おむつが販売されています。また、定期購入設定をすることで、定期的に商品が自宅に届けられるため、購入の手間が省けます。また、メーカーや販売店等に試供品の提供をお願いし、実際に使用してみることも重要です。

(3) 介護用品専門店

介護用品や福祉用具を専門に扱う店舗やオンラインショップでは、より専門的なアドバイスを受けながらおむつを選ぶことができます。失禁の程度に応じた吸収量の違いや、サイズの選び方など、詳しい説明を受けられるため、特に初めての購入にはおすすめです。

(4) 医療機関や福祉サービスを通じて

医療機関や福祉サービスを通じて、専門家のアドバイスを受けながら購入することもできます。例えば、排泄ケア相談員や訪問看護師、ケアマネ・介護福祉士に相談し、最適な製品を紹介してもらうことができます。また、必要に応じて地域の福祉サービスが提供する補助や支援を利用することも可能です。

(5) 市区町村の支援制度

自治体によっては、失禁ケアが必要な高齢者や障害者に対して、おむつの支給購入補助を行っている場合があります。市区町村の役所や地域包括支援センターに相談し、利用可能な支援制度を確認しましょう。多くの場合、医師の診断書や申請書が必要ですが、経済的負担を軽減するために利用できるサービスです。


まとめ

おむつの選択には、失禁の種類や程度、利用者の活動レベルに応じた製品選びが重要です。サイズや吸収量、肌への影響も考慮し、状況に合った製品を選ぶことで快適な排泄ケアが実現します。

また、購入方法としては、ドラッグストアや介護用品専門店、インターネット通販など、様々な方法があり、必要に応じて自治体の支援も活用しましょう。 

このブログの人気の投稿

排泄ケア相談員の育成に向けて

記述式ケース問題21 83歳・男性、下肢の筋力低下と軽度の認知症、排泄を感じるタイミングに問題

解説 ご町内の高齢者の皆様が知っておくべき備えと対策